※画像はAI(Gemini)で生成したイメージです |
昨日、2時間半かけて辿り着いた実家。
母の体調が気になり、今日もお昼前に受話器を取った。
まだ動けないのなら、せめてお弁当でも届けてあげなければ……そんな思いからだった。
電話に出た母の声は、まだ本調子ではなかった。
けれど、起き上がれていることに安堵したのも束の間、母は意外なことを口にした。
「今度は、お父ちゃんが戻して病院に行ったのよ」
耳を疑った。
母が嘔吐して寝込んでいた時、そばで「大丈夫、大丈夫」とのんびり構えていた父。
それなのに、いざ自分の身に同じことが起きると、迷わず病院へ駆け込むのだ。
心の中で、猛烈に 「どうなの?」 という言葉が渦巻いた。
母への無関心と、自分へのあまりに手厚いケア。
その落差があまりに激しくて、やりきれない。
原因は食あたりではなかったようだ。
水曜日のデイサービスを境に、母、そして父へと連鎖している症状。
おそらく、外部から持ち込まれた何らかのウイルスなのだろう。
けれど、実家には不思議な空気が流れていた。
父が体調を崩して寝込んでいる状況を話す母の声が、どこか、心なしか 嬉しそうに聞こえた のだ。
不謹慎かもしれないが、その気持ちは痛いほどよく分かる。
認知症の父に振り回され、一挙手一投足に神経を尖らせる日々。
父が静かに寝てくれている時間は、皮肉にも、今の母にとって唯一 「自分のペース」を取り戻せる平穏な時間 なのだ。
父の身勝手さが、図らずも母に束の間の休息をもたらすという、歪なバランス。
「うちの奴」が倒れても平気だった父が、
自分の痛みには人一倍敏感であること。
実家のカレンダーは今日も狂いなく進んでいる。
けれど、そこで営まれている日常は、どこまでもチグハグで、ままならない。
私はポカリスウェットの残像を思い出しながら、
少しだけ苦い笑いとともに電話を置いた。
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