バカなSiriを中継地点にする動機はない。Appleに突きつけられたAIの現実。
2026年5月22日金曜日以前に「SiriでChatGPT・Geminiが使い放題?その幻想とAppleの本当の狙い」という記事を書きましたが、最近の動向を見ていて改めて確信することがあります。
正直なところ、あんな「バカSiri」を経由してChatGPTを使うくらいなら、最初からアプリを立ち上げたほうがよっぽど早いし、正確です。
なぜ、わざわざSiriを経由しなければならないのか
日常的に生成AIを使っているユーザー(特に課金勢)からすれば、Siriに「〜に聞いて」とワンクッション置くよりも、直接アプリを叩いて音声入力したほうがレスポンスも精度も高い。これは動かしようのない事実です。
AIに乗り遅れているAppleにとっては、苦肉の策だったのかもしれません。しかし、使い慣れたユーザーにとって、性能の劣るSiriをわざわざ「中継地点」にする動機なんて、どこにもないんですよね。
無料ユーザーは「ちょっと試したい」だけ、ヘビーユーザーは既に直接課金している。その間でAppleがどれだけOpenAIに送客できたのか……。お互いの期待値には相当なズレがあるはずですし、Appleという巨大な制約の下では、OpenAIも本領を発揮できない気がしてなりません。
業界は違うですが、一時流れた「日産とホンダの合併」話と同じで、車好きの素人が見ても「それは上手くいかないだろう」と感じる不自然さを覚えます。Appleと上手くやるというのは、それほど大変なことなのでしょう。
6月のWWDC、Geminiの出番はあるのか
周回遅れのAppleが次に狙っているのは、6月のWWDCでのGemini導入でしょうか。噂されるSiriの刷新と、そこにGeminiがどう組み込まれるのか。Appleとしては「特定のAIに依存したくない」というスタンスを貫きたいはずです。
結局「Geminiアプリを直接立ち上げたほうがマシ」で終わるのか、それともOSレベルで統合されて驚くほど便利になるのか……。そこには非常に興味があります。
「アプリ」から「エージェント」へ。概念の逆転
ソフトバンクが発表したAI特化デバイスもそうですが、 これからは「アプリを使いこなす」時代ではなくなっていくでしょう。
重要なのは、AIにどう指示するか。
OpenAIは独自デバイス、 GoogleはGeminiをAndroidに統合、 MicrosoftはCopilot+ PC。
あらゆる企業が「AI前提」の世界に向かっています。
これまでのスマートフォンが「多機能な電話」だったとすれば、 これからは「自分の意図を実行してくれるエージェント」を持ち歩く時代になるのかもしれません。
本当に求められているのは、 より自然で、より直接的なAIとのインターフェースです。
6月のAppleの発表が、この違和感を覆すものになるのか。 それとも確信に変わるのか。
その答えを、楽しみに待ちたいと思います。