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父が母に『お前が年金使い込んでるんだろ』と言うようになった ~認知症と貧困の狭間で揺れる家族~

2026-02-12

以前の父は、それまで飼っていたジャックラッセルテリアを連れて、朝ラジオ体操に行き2時間散歩しているんだよと話すのが自慢だった。

父 homeの異変は大切にしていたジャックラッセルテリアが亡くなってから。

実家に帰るのは数ヶ月に一度だったが、両親は今の都営住宅に引っ越して5年ほど経つ今も、私は一緒に暮らしていない。
だから父の認知症の進行も、母の疲れも、ほとんど母の電話や実家に帰った時にしか知らない。

最近、母がため息まじりに話す内容が増えた。

「お父さんがまた、『お前が年金使い込んでるんだろ』って言うのよ…」

父は自分の年金が減っていると思い込んでいるらしい。
実際は国民年金だけで、貯金はほとんどない。それでも父の中では、毎月振り込まれるわずかなお金が「誰かに取られている」ことになっている。その「誰か」が、一番近くにいる母になってしまう。

朝は相変わらず
「なんで俺、森の中で寝てるんだ?」
と言い、母のことは「東京の彼女」と呼ぶ。
そして夕方になると、父から電話があり
「今友達の家にいるんだけど、家の電話番号教えて」
と。私は「今家にいるでしょ」と言い返すけど、父の声は本気で友達の家に居ると思っている。

私は実家から40分ぐらいの所に住んでいるが、「だったら生活保護を受ければいいんじゃない?父を介護施設に入れて、母も少し楽になれば…」と母によく話す。

一度それで話がまとまりかけた事もあったが、母から翌日にはもう少し様子を見ると言う話になった。

今でも母親に話すが、冷静になった母は静かに首を振った。
「生活保護受けたら、お父さんの年金も全部持っていかれるでしょ。施設に入れたら、私の年金だけじゃ暮らせないよ」

両親は二人とも国民年金だけ。貯金はほぼゼロ。
父が施設に入れば、母一人の年金で家賃・光熱費・食費を賄うことになる。都営住宅とはいえ、年金だけでやっていける額じゃない。結局、母は父を家で看続けるしかない。

父の言葉は日に日にきつくなる。
「金返せ」「お前が盗んだんだろ」
認知症の症状だとわかっていても、母の心は削られていく。私も電話で父の声を聞くたびにイライラするのに、母は毎日それを浴び続けている。

施設に入れる選択肢は、経済的にほぼ閉ざされている。でもこのままでは、母の方が先に潰れてしまうんじゃないか。

私は何も決められない。ただ、実家に帰るたびに父の「森で寝てたんだな」という言葉と、母の疲れた横顔を見るだけ。そしてまた家に帰る。

認知症は記憶を奪うだけじゃない。家族の未来の選択肢まで、少しずつ狭くしていく。貧困と重なると、その重さは想像以上だ。

この都営住宅の小さな部屋で、両親はまだ、ぎりぎりのところで今日を繋いでいる。
私はその外側から、ただ見守ることしかできない。

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自己紹介

はじめまして、Mamoruです。

このブログのタイトル「MACLIFELab」は、はじめは「MACLIFE」としてスタートしました。その後、私自身のうつ病や父親の認知症などが重なり、サイトをまるっきり更新できない時期も長くありました。

そんな苦しい日々を送っていく中で、いまの私や認知症の父を支えてくれているのは、間違いなく「人」であり、そして「Mac」や「iPhone」でした。

接している人は少ないかもしれません。しかし、Appleやガジェットがくれる「時間」と「心の余裕」に、私は何度も助けられてきました。介護や体調管理という厳しい現実も、テクノロジーを上手に頼りながら、少しずつ生活を整えていく感覚で向き合っています。

日々の生活では、近くに住む父の認知症介護の手伝いや、自分自身のうつ病・脂質異常症(糖尿病予備軍)といった体調と向き合いながら過ごしています。体調が良い時の趣味は、ポケモンGOや近所の散歩です。

2012年から続けているこのブログでは、Appleの進化とともにテクノロジーと向き合いながら、「便利さの先にある自分らしい暮らし」をテーマに、自分の視点で率直に想いを綴っています。

ときにAppleやガジェットに対して辛口になることもありますが、それもすべて、一人の愛好家としてのリアルな感想であり、愛着の裏返しです。